アパリグラハ(不貪)について
ヨガにおけるアパリグラハの考えは、欲を慎むことを意味します。欲というものは私たちにとって非常にやっかいなものです。
皆さんも経験があると思いますが一度欲を満たしてもさらに欲が出てきてしまいます。欲には終わりがないのです。したがって私たちは欲を上手くコントロールしなければなりません。
言い換えると、必要最低限でシンプルな生活を心がけるようにします。
机の上が散らかっていれば勉強するのが難しいのと同様に、いつも新しい所有物を欲したり、成功することを考えたりしていれば心の落ち着きを保つことが難しいです。
もちろん欲すること自体には問題ありませんが、気を付けないと欲に支配されてしまいます。
しかし、これは日常生活を捨てて、どこか洞窟に閉じこもって生活をすることを言っているのではありません、心を平静に保つことが大切なのです。
さらにアパリグラハの別の意味は、贈り物を受け取ることを慎むようにします。
これは欲とも関係しています。何かをもらうことは嬉しいことです。したがって私たちは何気なく人から物をもらってしまいます。
しかし注意しないといけないのは、そうした行為を通して、知らない間に自分自身の心が、その贈り物の送り主によって揺り動かされていることです。そうすると自分の人生を自らコントロールすることがだんだんと難しくなるのです。
何かプレゼントを受け取ることにより、独立した心が壊され、奴隷のような心持になりやすいと考えます。
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